2017/12:バーレーンでのIslamic Finance Innovation Dayに参加

Doreming UK, およびUSAのCEOである高崎将紘がバーレーンで開催されたIslamic Finance Innovation Dayに参加しました。
本イベントは、バーレーン経済開発委員会の支援で開催されています。イスラム圏でも盛り上がりをみせているフィンテックに焦点を当て、人的資本の開発を通じた持続可能な経済成長、産業発展のためのシャーリーアー(イスラムでの戒律)の役割などについて議論されました。
世界的に急成長を遂げているフィンテックの余波がイスラム金融にも波及し、フィンテックのイノベーションがイスラム金融の可能性を広げ持続可能な経済成長をもたらすと期待されています。

〜イベントレポート〜

2017年12月7日(木)午前8時@Capital Club Bahrain

バーレン中央銀行の紹介で、バーレーン経済開発委員会(EDB)が年次で開催している「Islamic Finance Innovation Day」に参加した。
本年度のフォーラムでは、「イスラミック・フィンテック」と「フィンテック人材開発」についてラウンドテーブルが実施された。

以下は、興味深い内容を5つ厳選した。

  1. サウジアラビア市場を狙うために、サウジアラビアの銀行(例:Gulf International Bank)もフィンテック企業(例:Paytabs, Now Money)もバーレーン市場でテストを実施して実績を作った後に、サウジアラビアに進出している、あるいはその予定だ。
    • バーレーンは「中東とアフリカにおけるフィンテック・ハブになること」を国家戦略として掲げている。
    • 2017年、バーレーン中央銀行がフィンテックに特化した組織を立ち上げた。現行法の規制を一時的に停止する規制緩和策をとり、革新的なフィンテック事業の育成と競争を促進させる「レギュラトリー・サンドボックス」を導入。フィンテック企業におけるライセンス取得等、非常にサポート的である。
    • それに比べて、サウジアラビア中央銀行はまだまだ保守的で時間とお金が余計に掛かる。バーレーンでの実績を示すことが出来れば、話はよりスムーズに進む。
  2. どの国でも、思っている以上にモバイル決済が普及していない中、アフリカのケニアでは、お店側が逆に現金ではなく、M-Pesaで支払って欲しいと要求するほど、M-Pesaの携帯決済が普及しており、Doremingのプラットフォームも工夫次第ではそのようなインフラになる可能性を秘めている。
    • ケニアでは、お店側にとって、現金の取扱いよりも、M-pesaでの取扱いの方が管理しやすく、コスト削減に繋がっている。また、現金盗難の心配も必要ない。Doremingはそれらに加え、人事・シフトデータや位置データ等を駆使すると、お店にとっての有効なマーケティングツールにもなる。
    • モバイル/デジタル決済を普及させるには、利便性も大事だが、それ以上に「安心感・信頼」を如何に与えるかが一番重要な鍵になる。
  3. 銀行を脅かす存在は、アマゾンやCareem(中東のUber)の様に、ユーザーを多く抱え、日々ユーザーが使うプラットフォームの中に金融サービスを組み込んでいる企業になるだろう。銀行のサイトよりも、アクセス数が多く、ユーザー・エクスペリエンスも銀行以上に優れているため。
  4. 中央銀行にとって、経済を活性化させるために、タンス預金を如何に使って頂くか(マネーフローの活性化の促進)は重要な課題であり、Doremingは働いた分の給与に直ぐにアクセスできるため、このような課題にも対応できる。
  5. 日本のフィンテックについて一番多かった意見は、面白いフィンテックのサービスがあるが、自国しか見ていない。自国で完結してしまっている。現在、それは文化と言葉の壁が一番大きいだろう。しかし、若い世代は、より多くの日本人が英語を話し、日頃からSNSやテクノロジーに親しんでおり、違う文化にも順応性と適応性を持ち合わせているため、今後、海外での成功事例が増えるだろう。

Facts

  • 中東も日本と同様、フィンテックでは大変遅れを取っている。グローバルでは、2010年から5年間で5,000億ドル(約50兆円)がFintechに投資されたのに対し、中東では5年間で1億ドル(約100億円)しか投資されていない。
  • 米国では銀行側がフィンテックに対して36億ドル(約3,600億円)投資しているのに対し、中東ではそのようなケースが殆ど無い。
  • 中東のみならずグローバルでは、中小企業の資金ギャップ(資金ニーズがあるもののお金が借りられない、出資が受けられないこと)の総額が2兆ドル(約200兆円)ある。